
任天堂様の決算が出る前にそんなこと言っちゃっていいんですかね…
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[ロイター: ソニーG株が5%高、営業益予想の上方修正を好感]
東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「上方修正が素直に評価されたようだ。ただ、修正要因は為替影響がほとんど。ゲームは新発売したソフトの販売の勢いが強くなく、サブスクサービスの会員数もさほど増えていない。来期の事業環境は厳しいとの説明もあり、株価がここから大きく上がるとはみていない」と指摘する。
滅茶苦茶悔しそうに負け惜しんでいる感覚が楽しかった。(KONMAI感)
営業利益の上方修正に反応した、というのも極端な報道だと思いますけどね、
[ソニーグループ: 2023年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) / 決算説明会資料 / 補足資料](pdf)


見ての通り営業利益の上方修正の内訳自体はゲーム分野の150億円上方修正が3/4を占めている…とも言える訳ですが、元より営業利益の予想は1兆1600億円だった訳ですから、200億円の上方修正はというと、個人から見たら大金ですけど割合で言えば1.7%に過ぎないんですよね。
実際の株高要因としてはもっと別の、まあ具体的に言うとPS5の販売が極めて好調かつ年度内の販売台数計画を上方修正した方に反応してるんじゃないでしょうか。
あと“来期の事業環境が厳しい”って所を恐らくは意図的にゲーム分野限定の話にしようとしていますが、業績説明会ではそんな話はしていなかったような。
ゲーム分野の話じゃなくて、景気減退による他分野の需要がという話だったと思いますが。
[ソニーグループ: 2022年度 第3四半期業績説明会]
既に再放送が見られるようになっていますが、来期より社長に就任予定の十時CFOがゲーム事業について説明した際は今期の販売予想を1900万台に引き上げ、MAUの三割がPS5ユーザーに、PS5ユーザーの三割弱が新規層、プレイ時間はQonQでは増えておりユーザーエンゲージメントも回復基調、来期はSpidy2などファースト・サード共に強力なタイトルが~と説明し、
“このように、ハードウェア・ソフトウェアの両面から様々な施策の成果が着実に上がっており、PS5の普及拡大を軸にゲーム事業の再加速に向けたポジティブなモメンタムが作れていると捉えています。”
と結んでいましたし。
質疑応答において質疑応答で景気減速の地域毎の影響について問われた際は、
“ゲーム&ネットワークについて、グローバルでの景気減速、地域で跛行性があるけれどもそれがどういう風に影響しているかというご質問なんですけれども、今の所地域による顕著な違いという物は見られていないというのが私の認識です。
ただ元々、PS5のシェア、他社比で言うとヨーロッパは米国よりも高い場所(?)にありますのでそれは維持していますし、米国においても夏場くらいは多少ギャップが狭くなったんですけど、ここに来て私共のシェアは非常に拡大しているという事で、今はそれほどマクロによる影響がインパクトしているって事は無いんじゃないかなという風に思っています。
ただしこれも動的な物なので注意深く4Q以降も動向は見ていきたいと思っています。以上です。”
と話しており、“ゲーム事業の来期以降の事業環境が厳しい”とは言っていないんですよね。
今般のパンデミックによる外出制限が緩和されたことを“リオープン”と話していましたが、それによるエンゲージメントの低下に関する言及も少しありましたが、それはPSプラットフォームに限った話ではない、というか既にMSのXbox事業の方が影響が大きいことが明らかになっていますし、任天堂にもほぼ確実にブーメランとなる訳ですが。
大体、ソフト売上高はむしろ増えているんですよね。

PS+のリニューアルでセールでゲームソフトを漁る層が遊び放題サービスの「ゲームカタログ」に移行したからか販売本数自体は前年同期よりも減少している訳ですが、ソフト売上高は追加コンテンツを除いてもフィジカル版・デジタル版共に前年同期を上回っている訳で、ゲーパスのように新作が売れなくなるのではなく、むしろゲームカタログで旧作を遊んでみることで新作の購入意欲を惹起する相乗効果を発揮していると言えるのではないでしょうか。
まあここまで言ったからには任天堂様の決算で何かしら下がってる指標があれば叩かれてもその通りと納得する訳無いんですよね。
たった数日後の事も碌に考えず煽っちゃう所に関しては任天堂様に通じる部分があると思いますが。

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