59378Grigri
 まあそりゃブラック騒動で開発体制もボロボロになるよなという会社ですねNIS。

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[ファミ通: 『グリムグリモア OnceMore』開発のヴァニラウェアにインタビュー。当時の赤裸々な開発秘話から、オリジナル版の企画書も特別に大公開!]

 こちらはオリジナル版のディレクターを務めたヴァニラウェアの神谷盛治社長の他、リマスタ版のディレクターを務めた西村芳雄氏とプログラマーの金山晃久氏へのインタビュー記事ですが、神谷氏がPS2版を開発した当時の話として、

 ヴァニラウェアと日本一さんがタッグを組んだのですが、開発費はすべてヴァニラウェアが持ち、日本一さんは販売と広報を担当するという座組で、『グリムグリモア』のIP(※)権利は、実質日本一さんのものでした。

※ IP:Intellectual Propertyの略。キャラクターなどの知的財産のこと。

 タッグと言いつつも……なんだかヴァニラウェアのリスクばかり高い契約ですが、当時の僕は世間知らずでしたし、好きなものを作って発売できれば、それで満足でした。また、『グリムグリモア』の精神的続編に当たるのが『十三機兵防衛圏』ですし、進化させたものを別のタイトルとして作れる自信があるので、僕自身IP には執着がありません。

 ただ、たとえば僕がダンプにはねられて異世界転生した際、残されたヴァニラウェアの仲間には残せるものがあるべきかなと思いまして。そこで、今回のリマスター化と同時に、日本一さんに「こちらの損でいいのでせめてIP をいただけませんか?」と提案したのです。しかし、ゲーム企業にとってIP を譲渡するというのはかなり難しいようで、残念ながら実現はしませんでした。

 …という。

 インディデベロッパのタイトルにしても、受託ではなくてデベロッパ側が開発費を負担している場合って普通はIPはデベロッパ側が保つ物だと思いますけどね。

 とにかくこのタイトルの(オリジナル版)開発時のエピソードはお金がなかったという話が多くて、

・キャラクターデザインはマリーのアトリエなどを手がけた桜瀬琥姫さんに依頼したいと思っていたがお金がなくて無理だった
・お金がないので半年で完成させるのが前提だった
・リマスタ版でボイスが一新されたのはオリジナル版開発当時にお金がなく、“PS2版のみでの利用に限定する”という条件で費用を抑えたから。ベイシスケイプの崎元さんが奔走し開発資金も貸してくれた恩もあり、これからもまだまだ頑張る

 といった話がこのインタビューだけでも出てくるという。

 でまあ上のようなエピソードがあるせいなのかどうか、一応今回のリマスタ版企画はヴァニラウェア側から日本一ソフトウェアに提案したらしいのですが、今後再び組む事があるかと問われた神谷社長、

神谷 昨今の家庭用ゲームは続編やシリーズものばかりになってしまい商業重視に傾く中、新規IPタイトルですとか、新機軸を続々と立ててチャレンジし続ける日本一さんは、ゲーム業界にとっても貴重な会社です。個人的にも、応援したいという気持ちはあります。しかし、いくら低空飛行が得意なヴァニラウェアと言えど、いろいろと難度が高くてなかなか手を取りにくいのが現状です。

 別段遠回しでもなくその気は無いと断りを入れている。

 現在開発中のタイトルについては、

・「十三機兵防衛圏 プロローグ」でティザーした謎の新作映像(ファンタジーもの)については神谷社長がディレクターでは無い物の鋭意開発中、ヴァニラウェアの歴史で最大級の作品に
・神谷社長は新たな会社とやっている大きな案件がある

 といった所ですね。

 まあこのリマスタ版も、ファミ通ランキングでは初週任ッチ版が0.35万本、PS4版がTop30圏外の0.24万本以下といった辺りで大して売れなかったというのはありますし。
 ニンドリのメディクリ調べ8月ランキングのTop30にも当然ランクインしていないので、フィジカル版限定の販売本数すらも来年の半ばぐらいまで何とも分からないままという。

 PS2版のオリジナル版発売から15年ほどを経ているにも関わらず、リマスタと言うにはちょっと怪しいPSVitaと同世代の携帯機で発売されたというのも微妙なポイントですかね。

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