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 恐らく立体音響を有効に使った「Returnal」「バイオハザード ヴィレッジ」が相次いで発売されたタイミングだから、という事なのでしょうけど。

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[PS.Blog: 『Returnal』と『バイオハザード ヴィレッジ』の開発者が語る、PS5™の“Tempest” 3Dオーディオ技術がもたらす新たなゲーム体験!]

[AV Watch: 西田宗千佳のRandomTracking - 第499回 - PS5開発陣に聞く「Tempest 3Dオーディオ」の意義と可能性]

 西田氏の記事はSIEのプラットフォームプランニング&マネジメント部門 グローバル商品企画部長の若井宏美氏とソフトウェア開発本部 副本部長の今井憲一氏へのインタビュー記事で、その一部を抜粋する形ですね。

 PS4発売後はすぐにPS5の開発が始まった訳ですが、その中で“次世代のPlayStationに相応しいユーザー体験とは何か”についての議論が行われ、その中で出てきた「没入感」を高めるための機能の一つが3Dオーディオ、という事だったようです。
 他の要素としてはロード時間で集中が途切れる事が起こらないようにする為の超高速SSDやコントローラの触覚フィードバックも没入感を高めるための重要な要素と位置づけられているみたいですね。

 3Dオーディオの効果は非常に高い物の効果的に取り込む為にはどうすれば良いか、という事で専用ハードウェアを実装するようにしたとの事。
 この辺はPS4に引き続きPS5のアーキテクトを務めたMark Cerny氏が講演で話していたように、PS4ではCPUの性能が限定的だった為難しかったオブジェクトオーディオがPSVRでは専用ハードの実装により多くの音源が扱えるようになり、それを更に発展させたのがPS5の「Tempest 3D Audio」となるわけですが。

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 ちなみにこれがSIEから提供されたPS5のサウンド表現数と方向性をイメージした画像だそうです。
 ピンときませんね。
 こういうのは前世代ではこれぐらいだったけど、と対比しないと分かりづらいようにも思うのですが、多数の音源を自由に配置する事が出来るようになった事で、ほぼ球形のサウンド環境を実現可能となった事が分かります。

 対応するためにはソフト開発側の対応は必要になるそうですが、SIE側のサポートもありライブラリも更新されているとの事で、それもあってバイオ村でPS5版のみが3Dオーディオに対応する事になったのでしょう。

 頭部伝達関数(HRTF)については現状5つのプリセットから選ぶ形となっていますが、今後は個々人に合わせた最適化が可能になるよう“導入も検討している”所だそうです。
 Cerny氏は同じくソニーが展開している3Dオーディオ技術「360 Reality Audio」同様耳の部分をカメラ撮影する事で個々人のHRTFを最適化可能になるだろう、と話していましたけど、現時点では検討中に留まるんですかね。

 なおヘッドホン以外での3Dオーディオ対応については現在開発中で、左右のチャンネルの音が混ざるクロストークをどう解消するかが課題だとか。

 あとPS5絡みの機能での話題というと、PS5がBluetoothヘッドセットに対応していないのはコントローラもBluetoothだから混み合って遅延が生じる事がないようにする為だそうです。




 で、その「Tempest 3D Audio」の利用についてカプコンはバイオ村、HousemarqueはReturnalの開発者に話を聞いた、というのがPS公式ブログの記事ですね。

「ホラーゲームでは、目に見えない要素でプレイヤーの想像力をかきたてることが非常に重要です。プレイヤーの皆さんには、新たな敵が視界に入る前から、その遭遇を楽しんでもらいたいと思っています。3Dオーディオは、敵が現れる前はもちろんのこと、敵と出くわしたときにも、私たちの目指すゲーム体験を増幅させることができると考えています。3D環境では、敵が発する音がより具体的に空間を満たし、プレイヤーの没入感を高めるのに役立ちます」

「3Dオーディオを導入することで、グラフィックのディテールや深みが増し、プレイヤーはさまざまな場所の奥行きや感覚の違いをより細やかに感じられるようになりました。屋根を揺らす冷たい冬の風、暗闇に潜む存在を隠す静けさ、プレイヤーの前に飛び出してくる敵、セーフルームの穏やかなメロディーなど、これらの要素は適切な音声や音楽が加わることで、より明確で奥深いものになります。3Dオーディオは、よりインパクトのある体験をプレイヤーに提供することができるのです」

 とはカプコンのオーディオディレクター、鉢迫渉氏の言。

「それは、戦場をリアルタイムで完全に把握することを可能にします」

「見えない敵は、見える敵よりも優先順位が高くなるようにデザインしました」

「3Dオーディオがなければ、苦労の甲斐がありません」

「『Returnal』のオーディオミックスは、状況に応じて耳に心地いい音をスマートに再配置しています。戦闘時にそれらの音は背景音として扱われ、プレイヤーは耳(と目)を当面の脅威である周囲の敵に集中することができます」

「攻撃や敵がどこから来るのかを把握するための視覚的なUIはもちろんあります。しかし3Dオーディオは、移動するべき正確な位置を教えてくれるのです。振り返って敵に狙いを定めるのは、体に記憶されている瞬間的な動作です――3Dオーディオがなければ、敵の位置を確認するためにカメラを操作しなければならず、その間にダメージを受けてしまいます。反応速度が向上することで、戦場の状況に応じた戦略を立てることができるので、戦術的な利点は非常に大きいと思います」

「最も危険な攻撃のひとつは、最も近くにいる敵からの近接攻撃です。そのような敵が画面外にいても、3Dオーディオを活用することで、攻撃をタイミングよく適切な方向にかわしながら、別の敵を撃つことができます。あるいは、攻撃をかわして近接攻撃で仕留めてから射撃を再開することもできます。
これはすべて無意識、直感的なものです。クールな場面で3Dオーディオに気づくこともありますが、ほとんどの場合、知らず知らずのうちに使われています。それが3Dオーディオの真の強みなのです」

 こちらはHousemarqueでオーディオリードを務めたLoic Couthier氏のコメントですね。


 ゲーム機が対応する立体音響としては過去類例を見ないレベルとなっているTempest 3D Audioですが、今後の展開の要望としてはやはり個々人に対するHRTF最適化の提供でしょうか、現状だとHRTFのプリセット範囲から外れているためか、どうやら上下方向の音声が分かりづらいという人もいるらしいので。
 これは外音取り込み機能付きヘッドホンを使っているとよく分かりますが、HRTFを考慮していない音であっても左右の耳に音が辿り着く時間差で左右方向の音の方向は分かるのですが、それ抜きだと上下方向の別が付かなくなるんですよね。

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