Q: QOLについて聞きたい。
岩田:
 まず、このQOL事業については、来期に事業を開始して、再来期から収益貢献できるようにしたい、という計画で、前回の経営方針説明会でお話ししたこと と変わっていません。今日お見せしたスライドには「2016年」と書きましたが、収益貢献できるようになる時期を考えると「2015年」と書くより 「2016年」と書いた方が適切かと考え、そのように書きました。そのような時間のレンジで考えているということです。

 ビジネスモデルについては、「こういうサービスをこんな形で、どういう料金体系とビジネスモデルで」とお話しできるタイミングになったら詳しくお話しし たいと思います。ただ、今までは製品を売り切るスタイルのビジネスがほとんどでしたが、こういうサービスになりますと、売り切り型のサービスよりもサブス クリプション(期間課金)型の、継続してお客様とお付き合いをしていくビジネスの方が本質的に向いているだろうとは思います。ただ、最初に何をいくらで 買っていただいて、それからどれくらいの料金体系で継続いただくか、という具体的なことについては、実際のサービスの姿や、実際の商品をお見せできるタイ ミングで詳しくお話しさせていただくことになると思います。基本的には、今までの売り切り型ビジネスとは少し違うスタイルとなります。

 それから、「どこまでの収益貢献ができるか」ということについては、大きな可能性があると思っています。「Five “Non” Sensing」は非常に面白い考え方で、今まで手付かずだった非常に大きなマーケットをつくり得ると思っているから始めるわけです。一方で、どんなビジ ネスでもそうですが、新しいことを始める時に、それがどれだけの規模になるのかというのは、私自身の心の中で思っていることがあっても、まだ具体的にビジ ネスモデルや料金体系についてお話しできない段階で、その数字だけを申しあげてもあまり意味がないと思いますので、今日は申しあげません。任天堂が昔、 「ゲーム人口拡大」といいはじめて、『脳トレ』や『Wii Fit』をつくりはじめた時に、「このような市場になる」ということを実物をお見せして、ある程度売れはじめる前に申しあげていたとしても、どなたも信じ てくださらなかったのではないかと思いますので、むしろ「任天堂はこんなものを出してどうするんだろう」と世の中から思われたけれども、それが結果として すごく大きな市場になったということが過去に何度も起きているという実績で見ていただくのがよいかな、と思います。
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[任天堂:2014年10月30日(木) 経営方針説明会 / 2015年3月期 第2四半期決算説明会 - 質疑応答]

 何でこんな時間に公開されているのでしょうね…
 特記なき場合は岩田社長の返答です。

Q1: amiiboによって何が面白くなるのか
A1:
 WiiUのNFCリーダ/ライタは今一活用出来ていなかったが、suicaとamiiboが使えるようになった、フィギュアを読ませて育てる楽しみが云々。フィギュアのような形でなくとも良いと思っている。来年はNFCリーダライタの成果となる商品が出てくると思う。
(宮)NFCを使ったプロジェクトを色々進めている。amiiboのフィギュアは任天堂ファンに嬉しいと思っていただける云々。
 amiiboをこのソフトにかざしたらどうなるのだろうという感覚も立派な遊び。社内でこんな事は出来ないだろうかと検討する動きが広がっている感じ。

Q2: 新興国、また他社が早いところでは9月から展開してる中国市場への展開はどうするのか
A2:
 翻訳に翻訳を重ねてニュアンスが変わる例を何度も見たから中国市場についてのコメントはしないが検討しているし上海経済特区が出来て(中略)、注目すべき事ではある。
 新興国では先進国で売れたものを持っていっても富裕層もしくは相当なコア層向けになるのでスマートデバイスでお客様との繋がりを作ってゲーム専用機に導いていきたい。色々な考えがあるが話さない。

Q3: QOL事業について聞きたい
A4: (冒頭のアレ)
 来期から事業を開始し再来期に収益貢献出来るような時期、という意味で2016年と書いた。Five "Non" Sensingは非常に面白い考え方。凄く大きな市場になったという事が何度も起きているのを見て欲しい、数字では申し上げない。

Q4: リージョンロックがかかっているがアンロックする気はあるか
A4:
 売り手の都合でリージョンロックをかけているがどうすべきかは考えたい。今日の時点で言えることはない。

Q5: QOLでクラウド云々言っていたがゲームで使う予定はあるのか
A4:
 直接という意味ではノー、スマートデバイスを使ってお客様との繋がりを作り出す為に利用するという意味ではイエス。

Q6: QOLは継続出来なければビジネスにならないのでは
A6:
 生体情報の測定と通知の手間を如何に省いて継続的に続けられるようにするかの鍵が「Five "Non" Sensing」。ゲームのノウハウと融合した時に面白い事が起こせそうだという手応えを持っているという所までは今日話してやる。

Q7: 技術の目利きとか2年ぐらい前に言っていたがそれは向上したのか。現預金の活用で技術を取り入れては。
A7:
 娯楽の世界は客のニーズに応えたり性能を上げたら売れるという性質の世界ではないので目利きが重要だと思っている。総合力が落ちてきた時に若い人の中か ら目利きが出来る人をどう探すか、その人にどう経験を積んで貰うかが大事。将来引退した後も任天堂を引っ張っていける人材作りについては考えてきたし手応 えがある。
 キャッシュの使い道について消極的という訳ではない。
(竹)出来るだけ若い人の判断に任せようと少し我慢している。「たとえ失敗してもお金をドブに捨てたことにはならない」という挑戦をしてほしい。「お金をドブに捨てるような使い方をしていると、運やツキが逃げていくぞ!」という任天堂の持っている一種のDNAに近い精神。
(宮)引退説とか出そうだが云々。任天堂的な考え方を若い人達にどう伝えるか。大勢で技術を検討すると高性能なものや安いもの、という方向に流れがちだが、少数のユニークな視点が大事になる。二回り近く違う人達を判断の中心にしていく体制で動き出している。

Q8: コストをどう抑制するのか
A8:
 任天堂はさほど従業員が多くないので減らしてもあまりコスト削減にならない。マーケティングと研究開発コストをいかに抑制するか。マーケティングはネットに能動的に見に来た人がソーシャルメディアで広めることでより効率化出来ると思う。

Q9: タイトル数が出てこなくなってきているが、アーキテクチャの統合など開発コストを抑制する動きは進んでいるのか。
A9:
 ソフトの開発効率を上げる必要はあるが、タイトルあたりの開発費を下げると魅力がなくなって長期的には売れなくなる。タイトル数だけがいくらあっても小 粒になっては意味が無い。マリオカート8で追加コンテンツを配信しているが、遊ばれ続ける状態をどう維持するかを考えての事。新作より追加コンテンツ制作 の方が遙かに安く頻繁に遊んで貰える切っ掛けを作れる。
 アーキテクチャ統合を進める考えは引き続き持っている。
(竹)アーキテクチャ統合に向かって進むのは基本的な考えだが、将来の製品についてはコメント出来ない。
(宮)一つのタイトルを大事に維持していきたい。新しい技術の習得は済んでいるので、メジャータイトルより手間のかからないスピンオフソフトと呼んでいる派生タイトルを作ろうと努力を続けている。
(岩)ゲームプラットフォームは稼働の維持が大事、任天堂の過去の失敗ハードはそこで躓いていた。ソフトが揃ったのは結果論で、稼働の維持にフォーカスした運営をしたい。

Q10: スマブラルビーサファイア同世代仮説は興味深い云々、モバイル向け市場はやや飽和状態だが何か対応策はあるのか
A10:
 スマブラやポケモンで遊んでいる人に次のタイトルを提案して稼働を維持していきたい。

Q11: スマートデバイスの活用について2014年内に具体的なものが出るという話だったがどうなったのか。
A11:
 スマートデバイスを活用というのはそこで繋がりを作る事が主眼、米では任天堂キャラを紹介するスマートデバイス向けサイトを開設している。またMiiを使うアプリを準備しているが、より磨きをかけ来年リリースしたい。

Q12: QOL事業はサードのような他の企業とパートナーシップを組むつもりはあるのか
A12:
 プラットフォームという言葉を使っているので他にこんな面白い使い方がある、というパートナーの方々にも云々。今回睡眠云々を発表したのは早めに伝えた方が今後の展開上有利だと思ったから。


 今一まとまっていませんがこんな感じになっていますね。詳しくこれNAGEEEEEしたい場合は原文を当たって下さい。
 どう見てもタイトル数が減ってきたら“タイトル数より稼働の維持が重要”とか言い出したり、その稼働の維持の為に“追加コンテンツ(DLC)が効果的”とか言い出したり相変わらずの任天堂ではありますが…

 “任天堂的”な互換性を維持しイニシャルプライスを抑えた上でらしい利益が出せる利幅を設けてトップダウンでユニークな何かを組み込む、という事を今後 も続けるのであればゲハで望まれるような高性能ハードが出る目は全くなさそうです。ゲーム機事業を続ける限り、このゲーム機はこれで十分なんだ。と言い続 ける事になるのかもしれませんね。
 まあ前言を翻した例なんて矢鱈とあるので、前に言っていたのと違うものが出てくる事はあるのかもしれませんが…それでも利益とユニークの枷はそう簡単に外れることはなさそうです。正面からSCEとやりあうだけの技術もないでしょうし。

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